フリーコンサルタントにおけるインフラ/クラウド案件
Post Date: 2021-08-27
企業のデジタル化(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいく中、ITインフラの整備、管理がより重要な経営要因となっています。また、近年サイバーテロが増加したことを受け、企業はインフラ整備を通じたセキュリティー対策を行っており、その費用は増加しています。一方で、必要以上に充実したインフラシステムは無駄なコストを生み出しています。このような状況下で、インフラ戦略の専門家としてインフラコンサルタントの需要が増加しています。さらに、これまではITインフラの中心は自社内に設備を設置するオンプレミスが主流となっていましたが、近年ではクラウドを活用したITインフラの設計が行われるようになっていきており、オンプレミス型からクラウド型への移行案件も増加しています。そのため、インフラコンサルタントの中でも、企業のクラウド移行についての計画策定、実行支援を行う「クラウドコンサルタント」が注目を集めています。今回は、ITインフラ/クラウドコンサルタントや求められるスキルについて説明したうえで、フリーコンサルタントにおける案件について説明していきたいと思います。
- ITインフラ/クラウドコンサルタントとは
- フリーランスとしてITインフラ/クラウド案件に関わるメリット
- ITインフラ/クラウドコンサルタントの難しさ
- フリーコンサルタントとしてITインフラ/クラウド案件に関わる際に必要なスキル
- 報酬
- フリーコンサルタント向けの案件事例
- まとめ
ITインフラ/クラウドコンサルタントとは
ITインフラコンサルタント
IT基盤やデータセンター、インフラ統合等におけるインフラストラクチャーの戦略企画、方針策定、統合企画等を総合的に行うことでクライアント企業の問題解決を図るコンサルタントのことを言います。例えば、企業はコスト減のためにITインフラの縮小を断行しようとすると、情報セキュリティや災害リスクが増大してしまいます。そのため、企業は最適なITインフラを見極め、導入する必要があり専門家の意見が必要とされており、ITインフラコンサルタントが頼られる状況となっています。
クラウドコンサルタント
ITインフラコンサルタントの中でもクラウドに特化しており、企業・業界ごとの最適なクラウドサービス導入計画の策定、導入におけるリスク・ガバナンス・コンプライアンスへの対応、そして、クラウド移行・DX実行支援を行い、環境整備、標準化まで行っています。クラウドコンサルタントは、このような一連のクラウド導入支援を通じて、クライアント企業の生産性の向上や新たな企業体制の構築を目指します。
フリーランスとしてITインフラ/クラウド案件に関わるメリット
クライアント企業の経営問題に関与することが出来る
ITインフラコンサルタントとして働くことで、クライアント企業の経営陣と対峙するような問題解決に上流のフェーズで関わることが出来、自らの経営的視点を養うことが出来るというメリットがあります。インフラエンジニアとして、SIerや事業会社のIT部門に勤務する場合、クライアントや経営陣から企画を受け、要件定義を行うことに案件業務が限定されてしまうことが多いですが、インフラコンサルタントとしてプロジェクトに参加する場合、クライアント企業はどのような状況であり、どのような問題を抱えているのか。どのような問題解決のソリューションを提示することが出来るのかといった、より根本的にクライアント企業の抱える問題発見の部分からクライアントに関与することが出来ます。
様々なキャリアパスを広げることが出来る
フリーのコンサルタントとして働く場合、プロジェクト毎に、様々な業界のクライアントと関わることが可能ですし、クライアントの経営問題と対峙してきた経験からITインフラに限定されないキャリアの幅を広げることが出来ます。
ITインフラ/クラウドコンサルタントの難しさ
常に勉強を行う必要がある
ITインフラコンサルタントは、問題解決のプロとして、問題を指摘するための深い業界知識と、適切なソリューションを提案するためのITインフラに限定されない様々な知識について高いレベルで求められます。そのため、未知の業界やソリューションについては、その穴を埋めるために勉強を行うとともに、幅広い業界の最新動向や、最新のITソリューションへの知見を常にアップデートする必要があります。
マインドセットを変える必要がある
インフラ構想等上流のニーズ高まりに応じて、エンジニアからコンサルタントに転向する方は多くいらっしゃいますが、その方々が一番苦労されることはマインドセットを変える必要があるという点です。
エンジニアとして業務を行う場合は、決められた企画やロードマップにそって要件定義を行い、製品の導入やインフラ構築を行なっていますが、それに対してコンサルタントはクライアントの現状分析や問題発見、解決策、ロードマップの提示から行なっています。そのため、ITインフラコンサルタントであっても、ITインフラの解決策に拘らずに、幅広い視点で解決策を提示することが求められます。エンジニアからコンサルタントになった場合には、ITや自分の得意分野での解決に拘らずに、根本的問題解決のために人事・組織的視点やマーケティング的な視点も持ち合わせる必要があります。
フリーコンサルタントとしてITインフラ/クラウド案件に関わる際に必要なスキル
ITに関する知見
具体的にはITインフラにおける知識は勿論のこと、アプリやクラウドといった幅広い知識が必要とされ、常に最新の、そして幅広い知識を要求されるという特徴があります。
コンサルタントとしての技能
ゼロベースでクライアントの抱える問題の特定、検証を行うためのロジカルシンキングの能力や、プロジェクトメンバーやクライアントと共通のゴールを目指す上でのコミュニケーション能力が挙げられます。
また、ITインフラコンサルタントは製品導入支援やインフラ構築支援のプロジェクト支援の中でチームマネジメントのスキルも必要とされます。そのため前職の中で、PMやPLとしてチームをまとめ上げた経験は評価されることがあります。
報酬
企業のDX化が進み、足元のニーズが高いことから高単価の案件が多く月額単価100万円を超えるものも多く存在します。年収アップも十分に狙うことができます。
フリーコンサルタント向けの案件事例
クライアント: 外資系コンサルファーム
稼働 : 80~100%
業務内容 : マネージングレイヤーのインフラコンサルタント
人材要件 : ファーム出身者/インフラプロジェクト経験者(マネージャークラス)
クライアント: 大手製造業
稼働 : 80~100%
業務内容 : インフラプロジェクトのPMOご経験豊富な方の募集(マネジャーレイヤー)
人材要件 : コンサルティングファーム出身又はファームアンダーでの、
大規模/マルチベンダープロジェクトでのPMOご経験
クライアント: 外資系コンサルファーム
稼働 : 100%
業務内容 : 重工業における、インフラ領域PMO PJ
人材要件 : インフラ領域のPMO、 特にクラウドへの移行についての構想・推進
クライアント: 総合系コンサルファーム
稼働 : 100%
業務内容 :英語×インフラPM
人材要件 :英語ビジネスレベル/ インフラPMとして稼働可能な方
クライアント: 外資系コンサルファーム
稼働 : 100%
業務内容 : インフラ更改における管理・推進
人材要件 : インフラプロジェクトにおけるリーダー経験
クライアント: 大手保険会社
稼働 : 100%
業務内容 : 損保インフラ更改における管理・推進
人材要件 : インフラストラクチャ経験
クライアント: 国内IT系ベンチャー
稼働 : 100%
業務内容 : 技術サポート業務の見直しに関する検討・マネジメント業務
人材要件 : インフラ(ネットワーク・データベース等)および「セキュリティ」に関しての知見
クライアント: 外資系コンサルファーム
稼働 : 100%
業務内容 : 大手製造業ITインフラのグローバル統合支援PJ
人材要件 :ADサーバやID管理における知識
クライアント: コンサルベンチャー
稼働 :80~100%
業務内容 : データ活用PJのPMポジション
人材要件 : GCP/AWSなどのクラウドを利用した、システム受託開発のプロジェクトマネージャーの経験
クライアント: 総合系コンサルファーム
稼働 : 100%
業務内容 : 人事・給与情報システム 事業推進支援プロジェクト
人材要件 : AWS/Azureなどのクラウドに関する深い知見
まとめ
今回は、フリーコンサルタントにおけるITインフラ/クラウド案件についてご紹介しました。企業のDXが進み続けており、ITインフラの整備が今後、より重要なキーワードになっていきます。このような動向を受けて、ITインフラ/クラウド関連の案件はより多くなっていくでしょう。ただし、自分の知見や経験と求人で必要とされる経験や知識が適合している必要がありますので、事前の情報収集が大切であるということが出来ます。