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Column特集記事

フリーコンサルタントにおけるPMO案件

Post Date2020-08-05

フリーコンサル案件の中でも非常にニーズの高いPMO案件について、そもそものPMOの概要から、フリーコンサルタント案件における形態や具体例について説明しております。

  1. 目次 (各項目をクリックしていただくと、その部分まで飛ぶことができます)
  2. 1.PMOとは?
  3. 2.PMOの職種について
  4. 3.PMOのニーズは高まっている
  5. 4.PMOコンサルタントに必要な資格・スキルは?
  6. 5.「フリーランスコンサルタント」としてPMOコンサルタントになる利点
  7. 6.フリーランス向けのPMO案件形態と具体例
  8. 7.まとめ

目次 (各項目をクリックしていただくと、その部分まで飛ぶことができます)

1.PMOとは?

PMO:Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)の略です。
※Program Management Office、Portfolio Management Officeと言う場合もあります。

日本PMO協会によると、PMOとは
「組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム」
のことです。つまり複数のプロジェクトにまたがってマネジメントを行う組織あるいはその執務空間などのことを指します。PMOの導入によって、プロジェクトのリソース分配の見直し、プロジェクトパフォーマンスの可視化、プロジェクトの品質向上、複数のプロジェクト間での業務標準化といった多くのメリットが得られます。

PMOの業務内容・3階層の役割

PMOの業務内容・果たす役割には大きく3つの階層があり、それぞれ対象範囲が異なります。これら3つの役割をもれなく果たすことで、より全体に行き渡ったマネジメントを行うことができます。

○ポートフォリオマネジメント

対象領域は全社です。ポートフォリオマネジメントとは、「経営資源を最適に分配するためのマネジメント手法」のことであり、企業やグループ全体にとって最適な資源の分配となるように、管理・決定を行います。

○プログラムマネジメント

対象領域は部門内です。複数のプロジェクトにまたがって、予算や人材の管理、スケジュール管理、製品規格の管理、業務標準化など、プロジェクト間をつなぐ役割を果たします。プロジェクトごとに縦割りだと発生してしまう問題、統一すべき点などを管理することが重要となります。

○プロジェクトマネジメント

対象領域はプロジェクト内です。プロジェクトメンバーだけでは管理しきれない、リスク管理やスケジュール調整、品質管理などを行います。先ほどPMOは複数プロジェクトにまたがって管理すると説明しましたが、その中で各プロジェクトの管理を同時に行うことも重要です。

《補足》
日本PMO協会によれば、PMOの主な役割は以下となります。
・プロジェクトマネジメント方式の標準化
・プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発
・プロジェクトマネジメント業務の支援
・プロジェクト間のリソースやコストの各種調整
・個別企業に適応したプロジェクト環境の整備
・その他付随するプロジェクト関連管理業務

参考:一般社団法人日本PMO協会HP

PMとPMOは何が違うのか?

PMとはProject Manager(プロジェクトマネージャー)の略です。PMとPMOは呼び方が違うだけと思われがちですが、明確に異なります。まずPMとは職種の一つであり、担当するプロジェクトの管理者ポジションです。そのため、プロジェクトの意思決定を行う立場にあります。対するPMOは、プロジェクトのサポート役です。プロジェクトの規模が大きくなるにつれ、PMだけでの管理は難しくなるため、そこでPMOがサポートに入ることでプロジェクト管理の漏れを防ぐことができます。

まとめると、
・PMは職種の一つ(特定の人物)、PMOは組織(※所属する人を言う場合もある)
・PMはプロジェクトの管理者、PMOはプロジェクトをサポートする役割
となります。

PMOとPMOコンサルタントの違いは?

PMOは自社で設置している場合と、外に依頼する場合があります。大規模なプロジェクトが複数にわたる場合など、PMO人材が何十人と必要なケースもあり、こうした場合自社の求人のみでPMO人材を集めるのは難しいため、外部に依頼してPMO人材を派遣してもらう形となります。こうして企業をサポートするのがPMOコンサルタントです。

PMOコンサルタントにも大きく2パターンあります。
・ITコンサルティングファームやIT事業会社のサービスの一環として、PMOコンサルタントを派遣する場合
・フリーランスのPMOコンサルタントとして案件を獲得するケース
それぞれ弊社の参考記事を以下に掲載しております。併せてご覧ください。
<参考>
・ITコンサルタントとは?仕事内容や年収などを紹介
・フリーランス(コンサルタント)の案件の探し方

《参考》企業がPMOを導入するメリット

日本PMO協会は、PMO導入によるメリットとして以下のものを挙げています。
1. プロジェクト現場でのメリット
・プロジェクト教訓・手法・ベストプラクティスの共有
・プロジェクト品質の高度化
・プロジェクト関連リソース確保・調達の迅速化
・プロジェクトスケジュール管理の高度化
・プロジェクトスコープ管理の高度化
・プロジェクトコスト管理の高度化
・プロジェクトリスク管理の高度化
・プロジェクトメンバーとのコミュニケーションの高度化
・プロジェクトステークホルダー管理の高度化

2. 企業経営でのメリット
・プロジェクトマネジメントの進行に適切な環境の整備
・プロジェクトマネジメントの手法・知識の標準化
・プロジェクト進捗・状況の「見える化」および確認の最適化
・プロジェクト優先順位付けおよび経営判断の迅速化
・プロジェクトマネジメント人財の安定的育成
・プロジェクトへの経営者支援工数の軽減

2.PMOの職種について

PMOの職種には以下の3つの分類が存在します。
・PMOアドミニストレータ(PMO事務)
・PMOエキスパート
・PMOマネジャー
下に行くほど役職は上がっていきます。

PMOアドミニストレータ(PMO事務)

いわゆる「支援型」のPMOです。プロジェクト関わる社内プロセスを円滑に進める役割を持ち、主に一般的な事務作業のサポート等を行います。具体的な業務としては、プロジェクトに必要なデータ収集や資料作成、メンバーの稼働管理といったレベル感の仕事を担います。

PMOエキスパート

いわゆる「管理型」のPMOです。プロジェクトのルール策定や標準化など、環境を整える役割を持ちます。PMOアドミニストレータとPMOマネジャーの中間的な立ち位置であり、一般業務のサポートとプロジェクト監視の両輪を担います。具体的な業務としては、プロジェクトの計画、プロセス分析、情報分析(プロジェクトパフォーマンスの可視化など)、人材開発(プロジェクトマネジメント教育の定着化など)といったものが挙げられます。

PMOマネジャー

いわゆる「指揮型」のPMOです。プロジェクト全体の指揮(プロジェクト最上流の意志決定への関与など)と、PMOのマネジメント全般(PMOのパフォーマンス管理など)の2役を請け負います。
プロジェクトのパフォーマンスを安定させるために、プロジェクトそのものの管理とそれを支えるPMOの働きぶりの管理を同時に行うため、豊富なマネジメント経験が必要となります。

3.PMOのニーズは高まっている

PMOはIT業界や大規模インフラ業界で主に導入されていますが、IT技術の進歩による業務の多様化・複雑化に伴い、扱うプロジェクトも大規模化・複雑化してきています。複数の大規模プロジェクトを同時にマネジメントするためには、相当数の人数が必要であり、PMOの構成員数が十数名から数十名にも及ぶケースも多くあります。
大企業クラスであってもPMOのスキルを所有する人材を何十人と確保するのは容易ではなく、PMO人材は不足ぎみです。そのため、PMO人材の求人や、フリーランスコンサルタントのPMO案件も増えています。

さらに言えば、PMO自体がIT業界・大規模インフラ業界のみならず、今後さらに数多くの業界で活躍し、ニーズがより高まる可能性もあるでしょう。

4.PMOコンサルタントに必要な資格・スキルは?

PMOコンサルタントになるために必要な資格

PMOコンサルタントになるために必須の資格はありません。
ただしアメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)が運営する国際資格「PMP(Project Management Professional)」というものが存在します。こちらを取得できれば良いですが、費用と時間がかかるため、よく検討することが必要です。(NPO法人の発行する資格であり、法的な資格・免許ではありません)
前段階として、PMIが発行しているPMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)をよく勉強しておくことをおすすめします。
《参考》PMP試験について―PMIジャパンHPより

PMOコンサルタントに求められるスキル

PMOコンサルタントに必要なスキルは様々考えられますが、その中で最も重要なスキルの1つは「進捗管理能力・進捗把握能力」と考えられます。PMOというのはプロジェクト全体の様子をよく把握して、適切なタイミングで適切な箇所に指示出し・サポートを行う必要があります。何がどれだけ進んでいて、プロジェクトパフォーマンス向上のためには次にどこを支えるべきか、ということを絶えず確認する必要があります。
これらを実現するためには、
・プロジェクトメンバーとのコミュニケーション能力(把握と伝達)
・プロジェクトの進捗の見通しを立てられるスケジュール管理能力
といったことも同時に必要と言えるでしょう。

このように考えると、コンサルタントと言っても経営コンサルタントとは求められるスキルが異なるかもしれません。比較として以下の記事を掲載しておきます。ご覧になってみてください。
《参考》経営コンサルタントに向いている人は?適正について

5.「フリーランスコンサルタント」としてPMOコンサルタントになる利点

前述の通り、PMOコンサルタントにも以下の2タイプあるとご説明いたしました。
・ITコンサルティングファームやIT事業会社所属のコンサルタント
・フリーランスコンサルタント
フリーランスコンサルタントとして働くメリットをご紹介していきます。

案件が高単価

フリーランスコンサルタントのPMOの案件単価は高いものが多く、150万円/月、200万円/月を超えるものもあります。理由としては2点、PMO人材のニーズが高い点、フリーランスでは企業の支払う金額がそのまま所得になる点、が挙げられます。ファーム在籍者ですと、どうしてもファームの内部留保に充てられる分があります。また、自身のスキルが劇的に上がっても昇進のペースはある程度決まっており、そのギャップに納得できないケースというのも存在します。その点フリーランスであれば、スキルがあって希望が通れば望んだ金額の案件に参加できるメリットがあります。

志向したプロジェクトで働ける

フリーランスであれば、自身の志向した業界、規模感などのプロジェクトを選ぶことができます。ファーム在籍ですと、自分でプロジェクトを選べることはなかなかありません。今後のキャリアや自身のスキルアップを見据えてプロジェクト選びをしたい方には、フリーランス方が合っていると言えるかもしれません。

PMOとフリーランスの働き方が合っている

複数件の大規模プロジェクトのPMOであれば十数人から数十人にもなりますが、一人でアサインされることも多く、その場合フリーランスという働き方にマッチしています。また複数人でアサインされる場合でも、フリーランスという中立的な立場はPMOの俯瞰的な視点に重要であり、フリーランスならではの強みと言えます。

参考としてフリーランスに関する弊社記事を以下にご紹介いたします。

《参考》
フリーランス(コンサルタント)になるメリット・デメリット
フリーランスの方々の収入について

6.フリーランス向けのPMO案件形態と具体例

PMOコンサルタントという幅広いメンバーとの調整/連携が必要な立場である為、フリーランサーであっても、稼働率高め(80-100%)かつ現場中心のプロジェクトが一般的です。但し、PMOの種類によっては稼働や単価も異なります。大きく、
①サポート型
②管理型
③主導型
に分かれており、①が業務サポートにとどまるのに対し、②についてはプロジェクト管理(スケジュール管理や課題の特定、解消のための施策検討)の意味合いが強くなり、③についてはプロジェクトの重要な意思決定関与や、プロジェクトを統括する役割を持つ形になります。③になればなるほど、重要度や単価は高くなります。

①サポート型の案件例や求められる要件

・クライアント:中堅消費財メーカーマーケティング部門
・稼働:80-100%
・業務内容:
マーケティング部門のシステム開発プロジェクトでSIerチームのPM支援
ポジションとしてプロジェクトを推進。
具体業務としては、会議のファシリテーション、ドキュメンテーション、ベンダーコントロールなど
・人材要件:
PM、PMOなどプロジェクト推進の経験、十分なドキュメンテーション
スキル、ベンダーコントロールの経験

②管理型の案件例や求められる要件

・クライアント:国内大手保険会社
・稼働:50-100%
・業務内容:
既存サービス変更に伴うプロジェクト支援。コンサルファームの
一員として複数部署と連携をしながら、プロダクト/オペレーション/システム
全般の変更サポート。
具体的業務としては、①同様にドキュメンテーションやファシリテー
ションだが、複数部署を巻き込むコミュニケーション、調整力、管理が
求められる
・人材要件:
コンサルファームでの就業経験、PM/PMOとしての複数プロジェクト経験、
該当業界やオペレーションに関する知見

③主導型の案件例や求められる要件

・クライアント:国内企業だがグローバルに展開する大手精密機器メーカー
・稼働:50-100%
・業務内容:
SAPグローバル展開の主導。クライアント社員やエンジニアを取りまとめるマネジャーの立場で参画し、計画から実行まで一貫サポート。具体的業務としては、グローバル地域の要望ヒアリング/管理、SAP導入に関する課題特定、解決のための具体施策検討、グローバルでの合意形成。メンバーを動かしながらグローバルでの実行管理、等。
・人材要件:
大手ITコンサルファームでのマネジャー以上の経験。(プロジェクトの全体像の設計から実行まで、単独で考えられるスキル/経験)。ERPシステムのグローバル導入プロジェクト経験、高いビジネスクラスの英語力

7.まとめ

PMO(PMOコンサルタント)についてご紹介してきました。現在PMOは多くの企業に必要とされており、PMO人材も足りなくなってきています。
PMOのニーズのあるこのタイミングで、一度PMOコンサルタントを検討してみてはいかがでしょうか。
弊社でもフリーランスコンサルタント向けの案件を取り扱っております。以下のフリーコンサル向けページよりアクセスください。